高校数学の復習の記事です。
自然数の定義について説明します。
自然数の定義
りんごが\(3\)個、人が\(5\)人というように、物を数えるときに使う数が自然数です。数えるときは、\(1, 2, 3, \dots\)と順に言います。この数の並びをまとめたものが自然数の集合で、記号\(\mathbb{N}\)で表します。
\(\mathbb{N} = \{1, 2, 3, \dots\}\)
「\(\dots\)」は、同じ規則で限りなく続くことを表します。
自然数には「次の数」があります。\(1\)の次は\(2\)、\(2\)の次は\(3\)で、どんな自然数にも次の数がただ1つ決まります。この「次の数」を、その数の後続と呼ぶことにします。
\(3\)の後続は\(4\)、\(99\)の後続は\(100\)。
どの自然数にも後続がありますので、最大の自然数は存在せず、自然数は終わりなく続きます。一方、\(1\)はどの自然数の後続でもありません。\(1\)が数え始めの数です。
\(0\)の扱いについて
高校数学では、\(0\)を自然数に含めません。「物を数える」ところから始まる数なので、数え始めは\(1\)だからです。ただし、より専門的な数学の分野では、\(0\)を自然数に含める流儀もあります。本によって約束が違うので、別の本を読むときは自然数の定義を最初に確認しましょう。この記事では、高校数学にならって\(0\)を含めません。
自然数の大小関係
自然数には大小関係があります。数える順に並べたとき、先に出てくる数が小さく、後に出てくる数が大きいと考えます。後続を使うと、次のように言い表せます。
大小関係の定義:自然数\(b\)から後続を次々にたどって自然数\(a\)に達するとき、\(a\)は\(b\)より大きいといい、\(a>b\)と書きます。このとき\(b<a\)とも書きます。
\(4\)の後続は\(5\)、\(5\)の後続は\(6\)なので、\(4\)から後続をたどって\(6\)に達します。よって\(6>4\)です。
\(1\)から後続をたどると、\(2, 3, 4, \dots\)とすべての自然数に達します。したがって、\(1\)より大きくない自然数、つまり\(1\)より小さい自然数はありません。
\(a>b\)または\(a=b\)であることを\(a\leq b\)と書きます。\(\geq\)も同様です。
任意の2つの自然数\(a, b\)について、\(a>b\)、\(a=b\)、\(a<b\)のうち、ただ1つだけが成り立ちます。異なる2つの自然数の場合、数を数える順に並べれば、どちらが先かが必ず決まる、ということです。
最小元
自然数のいくつかを集めたものを、\(\mathbb{N}\)の部分集合といいます。たとえば次のようなものです。
\(A=\{3, 5, 8\}\)
\(B=\{2, 4, 6, 8, \dots\}\) (偶数全体)
集合の中に、その集合のどの要素よりも大きくない(小さいか等しい)要素があるとき、それをその集合の最小元といいます。
\(A\)の最小元は\(3\)です。
\(B\)の最小元は\(2\)です。
自然数には、次の重要な性質があります。
自然数の最小元の存在:要素を1つ以上もつ(空でない)自然数の集合には、必ず最小元が存在する。
なぜなら、空でない自然数の集合はその要素\(n\)をもちますが、これは\(1\)から順に数えていくと必ず有限回でたどれます。それらの後続の中ではじめてこの集合の要素となるような自然数が必ず存在します。そのような自然数がこの集合の最小元です。
例題
例題1 \(9\)は\(6\)から後続をたどって達することを示し、\(9>6\)を確かめよ。
解答例 \(6 \rightarrow 7 \rightarrow 8 \rightarrow 9\)と、後続を\(3\)回たどって達する。したがって\(9>6\)
例題2 次の自然数の集合の最小元を答えよ。
(1) \(\{7, 12, 5, 9\}\)
(2) \(10\)以上の自然数の全体
解答例 (1) \(5\) (2) \(10\)
例題3 「最大元」(集合のどの要素よりも小さくない要素)をもたない、空でない自然数の集合の例を1つ挙げよ。
解答例 自然数全体\(\mathbb{N}\)、偶数全体\(\{2, 4, 6, \dots\}\)など。
参考文献
数学を復習する際に役に立った本を紹介します.
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芳沢光雄著 『高校数学の教科書』
