形式論理学についての解説の記事です.
初めに論理学の対象となる「命題」について解説します.
命題
命題とは,真偽が確定する主張を含む文です.
例えば,「田中さんは数学が好きである」,という文です.
この場合,実際に田中さんが数学が好きならばこの命題は真であり,田中さんが数学が嫌いならばこの命題は偽となります.
以下のような,疑問文・命令文・感嘆文は命題とは言えません.
「今日は満月だろうか?」,「職場をきれいにしろ」,「この花はなんて美しいのだろう!」
「今日は満月である」は命題と言えますが,「職場はきれいである」や「この花は美しい」は,「きれい」や「美しい」の基準が主観的なので,命題とは言えません.
つまり,真偽が定まるために,その基準が客観的でなければなりません.
命題として想起しやすいのは,数学に関する命題です.
「2は偶数である」,「3は素数である」,「6は完全数である」は全て真です.
「\sqrt{2}は有理数である」,「2+3iは純虚数である」は全て偽です.
命題を文字で表す場合,一般的にはA, Bなど大文字のアルファベットで表します.
述語
「xは実数である」などのように,主語についての条件のみを記した文を述語といいます.
この文のxのように,そこにいろいろなものが代入されうる部分を変項といいます.
変項が数を表す場合は変数といいます.
他方で,「xはa以上の実数である」の中のaのように,いろいろなものが代入されうるのではなく,一定のものであると想定されているものを定項といいます.
定項が数を表す場合は定数といいます.
述語を文字で表す場合,変項xと合わせてA(x)とかきます.
A(x)は命題関数とも呼ばれます.
問題
問題1
次の命題の真偽を答えよ.
(1) 141は素数である.
(2) 259は7の倍数である.
問題2
次の命題関数が真となるような変数の範囲を答えよ.
(1) xは実数で,5x-7>3
(2) yは実数で,y^2-3y<-2
解答例
問題1
(1) 141=3 \times 47であるので,141は素数ではない.したがって与えられた命題は偽である.
(2) 259=7 \times 37であるので,259は7の倍数である.したがって与えられた命題は真である.
問題2
(1) 5x-7>3,5x>10,x>2
(2) y^2-3y<-2,y^2-3y+2<0,(y-2)(y-1)<0,1<y<2
参考文献
参考文献を紹介します.
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野矢茂樹著,『論理学』
長岡亮介著,『論理学で学ぶ数学』