細胞間結合【高校生物の復習8】

生物学基礎

高校生物の復習に役立つ「細胞間結合」の解説記事です。大学での生物系の学習や資格試験の対策勉強にご活用ください。

細胞間結合は、「結合の目的(何のために繋ぐか)」と「関与するタンパク質(膜タンパク質と細胞骨格)」をセットで覚えるのが攻略のコツです。

細胞間結合(細胞接着)の全体像

細胞間結合は、大きく分けて以下の2つのタイプに分類されます。

  1. 細胞同士の接着:隣り合う細胞膜同士が直接結合する。
  2. 細胞と細胞外マトリックス(ECM)の接着:細胞が、コラーゲンなどの細胞外物質(基底膜など)と結合する。

これらは、細胞膜を貫通する膜タンパク質を介して、細胞内部の細胞骨格(アクチンフィラメントや中間径フィラメント)と結びつくことで、組織に強い強度や機能を与えています。

細胞同士の接着(4つのタイプ)

密着接合(タイトジャンクション)

  • 役割:細胞同士を隙間なく密着させ、物質の漏れを防ぐ(バリア機能)。腸の基礎吸収上皮などで重要。
  • 膜タンパク質オクルジン(やクローディン)
  • 細胞骨格:なし(膜同士をジッパーのように密着させるため、特定の細胞骨格とは結合しない)

接着接合(アドヘレンスジャンクション)

  • 役割:細胞同士を強固に固定する。シート状の細胞層を維持する。
  • 膜タンパク質カドヘリン(カルシウムイオン Ca2+が必要)
  • 細胞骨格アクチンフィラメント

デスモソーム結合

  • 役割:細胞同士を「スポット溶接」のように非常に強く結合させる。引っ張りに強い(皮膚の表皮や心筋に発達)。
  • 膜タンパク質:カドヘリンファミリーのデスモコリンデスモグレイン
  • 細胞骨格ケラチンフィラメント中間径フィラメントの一種)

ギャップ結合

  • 役割:細胞同士にトンネルを掘り、イオンや低分子物質を直接移動させて、情報や電気信号を伝達する(心筋の同期などで重要)。
  • 膜タンパク質コネクソン(コネキシンというタンパク質が6個集まったもの)
  • 細胞骨格:なし

細胞と細胞外マトリックスの接着

ヘミデスモソーム結合

  • 役割:上皮細胞などを、下地である細胞外マトリックス(基底膜)にしっかりと繋ぎ止める。「ヘミ」は「半分」という意味で、デスモソームの片側半分に似ていることから名付けられました。
  • 膜タンパク質インテグリン
  • 細胞骨格中間径フィラメント(ケラチンフィラメントなど)

【一目でわかる】細胞接着のまとめ一覧表

試験直前の暗記用に、キーワードの組み合わせをまとめました。

接着の名前接着の対象膜タンパク質結合する細胞骨格主な役割・特徴
密着接合細胞 ⇄ 細胞オクルジンなし物質の漏れを防ぐ(関門)
接着接合細胞 ⇄ 細胞カドヘリンアクチンフィラメント細胞同士の結合、形状維持
デスモソーム結合細胞 ⇄ 細胞デスモコリン
デスモグレイン
ケラチンフィラメント
(中間径フィラメント)
引っ張りに対する強い結合(皮膚など)
ギャップ結合細胞 ⇄ 細胞コネクソンなしイオンやシグナル物質のパス(通信路)
ヘミデスモソーム結合細胞 ⇄ 細胞外マトリックスインテグリン中間径フィラメント細胞を下地に固定する

💡 受験対策のワンポイントアドバイス

  • 「カドヘリン = アクチン」、**「デスモ = 中間径(ケラチン)」**のペアは特によく出題されます。
  • 細胞外マトリックスと結合するのは**「ヘミデスモソーム(インテグリン)」**だけなので、ここを区別できるようにしておきましょう!

細胞間結合(細胞接着)穴埋め問題 10問

( )に入る最も適切な語句を答えよ。

問1 隣り合う細胞膜同士が直接結合するものを「細胞同士の接着」と呼ぶのに対し、細胞がコラーゲンなどの結合組織と結合することを「細胞と( ① )の接着」と呼ぶ。

問2 細胞同士を隙間なく密着させて物質の漏れを防ぐ「密着接合」に関与する、代表的な膜タンパク質は( ② )である。

問3 細胞同士を強固に固定する「接着接合」では、膜タンパク質である( ③ )が細胞同士を結びつけている。この結合にはカルシウムイオンが必要である。

問4 接着接合において、膜タンパク質が細胞内部で結合している細胞骨格は( ④ )である。

問5 皮膚の表皮や心筋など、引っ張りの力に対する強度が求められる組織で発達している、スポット溶接のような強い細胞同士の結合を( ⑤ )結合という。

問6 デスモソーム結合において、細胞間を繋ぐ膜タンパク質(デスモコリンやデスモグレイン)が、細胞内部で結合している細胞骨格は( ⑥ )フィラメントである。

問7 細胞同士の間に管状のトンネルを作り、イオンや低分子物質を直接移動させて情報伝達を行う構造を( ⑦ )結合という。

問8 ギャップ結合において、チャネル(トンネル構造)を形成している、タンパク質が6個集まってできた複合体を( ⑧ )と呼ぶ。

問9 上皮細胞をその下地である基底膜(細胞外マトリックス)にしっかりと繋ぎ止める、デスモソームの片側半分に似た構造の結合を( ⑨ )結合という。

問10 ヘミデスモソーム結合において、細胞外マトリックスと直接結合する細胞膜上の貫通タンパク質は( ⑩ )である。

解答と解説

① 細胞外マトリックス

解説: 細胞の周囲を取り囲むコラーゲンや糖タンパク質などの構造体の総称です。

② オクルジン(クローディンでも正解)

解説: 密着接合(タイトジャンクション)をジッパーのように塞ぐ専用の膜タンパク質です。

③ カドヘリン

解説: カルシウムイオン(Ca2+)が存在することで構造が安定し、接着性を発揮する糖タンパク質です。

④ アクチンフィラメント

解説: 接着接合の裏打ち構造です。「カドヘリン=アクチン」のペアで覚えましょう。

⑤ デスモソーム

解説: 引っ張りに対して非常に高い機械的強度を細胞間に与える、ボタン状の接着構造です。

⑥ ケラチン(中間径でも正解)

解説: デスモソームの裏打ちとなる頑丈なフィラメントです。

⑦ ギャップ

解説: 隣り合う細胞同士の電気的な同期や、シグナル伝達を可能にする通信路です。

⑧ コネクソン

解説: コネキシンというタンパク質が6個集まってできた、ギャップ結合の円筒状のチャネルです。

⑨ ヘミデスモソーム

解説: 「ヘミ(hemi-)」は「半分」という意味です。細胞「同士」ではなく「細胞外マトリックス」に固定します。

⑩ インテグリン

解説: 細胞外マトリックス(コラーゲンやラミニンなど)を認識して直接結合する、重要な受容体タンパク質です。

細胞間結合(細胞接着)正誤選択問題 10問

次の記述について、内容が正しい場合は「◯」、誤っている場合は「×」を選べ。

問1 ( ) 細胞間結合(細胞接着)には、細胞同士が直接結合するものと、細胞がコラーゲンなどの細胞外マトリックスと結合するものの2つのタイプがある。

問2 ( ) 密着接合は、細胞同士の隙間をなくして物質の漏れを防ぐバリア機能を持つため、特定の細胞骨格と非常に強固に結びついている。

問3 ( ) 接着接合に関与する膜タンパク質であるカドヘリンが機能するためには、マグネシウムイオンが不可欠である。

問4 ( ) 接着接合において、細胞膜を貫通するカドヘリンは、細胞内部でアクチンフィラメントと結びついている。

問5 ( ) デスモソーム結合は、皮膚の表皮や心筋など、物理的な引っ張りの力に対する強度が求められる組織に発達している。

問6 ( ) デスモソーム結合を構成する膜タンパク質はデスモコリンやデスモグレインであり、これらはカドヘリンファミリーに属する。

問7 ( ) デスモソーム結合の内部では、膜タンパク質がアクチンフィラメントと結合して細胞を裏打ちしている。

問8 ( ) ギャップ結合は、隣り合う細胞同士を密着させて物質が通過するのを完全に遮断するための構造である。

問9 ( ) ギャップ結合のチャネル(通路)を形成している、コネキシンが6個集まった複合体の構造をコネクソンと呼ぶ。

問10 ( ) ヘミデスモソーム結合は、上皮細胞などを細胞外マトリックスに繋ぎ止める構造であり、膜タンパク質としてインテグリンが関与する。

解答と解説

問1. 解答:◯

解説: 細胞接着は、隣り合う細胞膜同士の接着と、基底膜などの細胞外マトリックス(ECM)との接着に大別されます。

問2. 解答:×

解説: 密着接合(タイトジャンクション)は物質の漏れを防ぐバリア機能を担いますが、特定の細胞骨格による裏打ち構造は持たないのが特徴です。

問3. 解答:×

解説: カドヘリン(Cadherin)が接着機能を発揮するために必要なのは、マグネシウムイオンではなくカルシウムイオン($Ca^{2+}$)です。

問4. 解答:◯

解説: 接着接合では、カドヘリンが細胞内部でアクチンフィラメントと結合し、細胞シートの維持に貢献します。

問5. 解答:◯

解説: デスモソーム結合はスポット溶接のように細胞同士を強く固定し、引っ張りに対する優れた機械的強度を提供します。

問6. 解答:◯

解説: デスモコリンやデスモグレインは、細胞同士を繋ぐカドヘリンファミリー(の仲間)に分類される膜タンパク質です。

問7. 解答:×

解説: デスモソーム結合が結合する細胞骨格は、アクチンではなくケラチンフィラメント(中間径フィラメント)です。

問8. 解答:×

解説: 物質の通過を遮断するのは密着接合です。ギャップ結合は、イオンや低分子物質を直接移動させて情報を伝達する「通信路(チャネル)」です。

問9. 解答:◯

解説: 6つのコネキシンタンパク質が円筒状に集まり、コネクソンという中空のチャネル(通路)を形成します。

問10. 解答:◯

解説: ヘミデスモソームは「細胞 ⇄ 細胞外マトリックス」の接着構造であり、これをつなぐ膜タンパク質はインテグリンです。

参考文献

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