高校数学の復習の記事です。
自然数の四則演算について解説します。
加法(足し算)
定義
- 加法は、2つ以上の数を組み合わせて合計を求める操作です。
- 自然数同士の加法は、常に自然数になります。
- 例えば、5 + 3 とは、5にさらに3を加えるということです。
- 数直線上で表すと、まず0から5進み、そこからさらに3進むイメージです。
加法の法則
- 交換法則: 加法では順番を入れ替えても結果は同じです。
例: a + b = b + a
例えば、4 + 7 = 7 + 4 = 11 - 結合法則: 3つ以上の数を足す場合、どこから足しても結果は同じです。
例: (a + b) + c = a + (b + c)
例えば、(2 + 3) + 4 = 2 + (3 + 4) = 9
二桁以上の数の計算は、交換法則や結合法則を利用していると考えることができます。
32+24=30+2+20+4=2+4+30+20=6+30+20=6+50=56
\begin{array}{c@{}c@{}c@{}c} & 3 & 2 \\ + & 2 & 4 \\ \hline & 5 & 6 \ \end{array}
45+57=40+5+50+7=5+7+40+50=12+40+50=12+90=102
減法(引き算)
定義
- 減法は、ある数から別の数を引いて、差を求める操作です。
- 減法では、引く数が大きい場合、負の数が結果となることもありますが、自然数の範囲内では負の数は扱いません。
- 例えば、10 – 4 とは、10から4を引くということです。
数直線上では、10の位置から4戻るイメージです。
注意
- 交換法則が成立しない: 減法では順番を変えると結果が異なります。
例: 8 – 5 \neq 5 – 8
8 – 5 = 3、一方で5 – 8 = -3 になります。
乗法(掛け算)
定義
- 乗法は、ある数を指定された回数だけ足す操作です。
- 自然数同士の掛け算は、常に自然数になります。
- 例えば、6 × 3 とは、6を3回足すことと同じ意味です。
6 × 3 = \overbrace{6 + 6 + 6}^3 = 18
乗法の法則
- 交換法則: 掛け算では、順序を入れ替えても結果は同じです。
例: a × b = b × a
例えば、5 × 7 = 7 × 5 = 35 - 結合法則: 複数の数を掛ける場合、どこから掛けても結果は同じです。
例: (a × b) × c = a × (b × c)
例えば、(2 × 3) × 4 = 2 × (3 × 4) = 24 - 分配法則: 掛け算と足し算が混ざる場合、次の法則が成り立ちます。
例: a × (b + c) = a × b + a × c
例えば、2 × (3 + 5) = 2 × 3 + 2 × 5 = 6 + 10 = 16
二桁の数の掛け算は、分配法則を利用していると考えることができます。
34 \times 6 = (30 + 4) \times 6 = 30 \times 6 + 4 \times 6 = 180 + 24 = 204
\begin{array}{r} \phantom{0}34 \\ \times \phantom{0}6 \\ \hline \phantom{0}24 \\ 180 \\ \hline 204 \ \end{array}
除法(割り算)
定義
- 除法は、ある数を指定された数で割って商を求める操作です。割り切れる場合と余りが出る場合があります。
- 例えば、12 ÷ 4 は、12を4で割ると3になることを意味します。
12 ÷ 4 = 3
注意
- 交換法則が成立しない: 除法では、割る数と割られる数を入れ替えると結果が異なります。
例: 20 ÷ 4 \neq 4 ÷ 20
商と余りを求める除法(整数除法)
割り算をして商と余りを求める方法です。
割り切れない場合には、整数の商と余りを求めます。
13 ÷ 5 → 商: 2, 余り: 3 となります。
つまり、5で割ると2回割り切れて、3が余ります。式では
13 = 5 × 2 + 3
と表せます。
例:37 \div 7 = 5 \dots 2
\begin{array}{r} 5 \\ 7 ) \overline{37} \\ \underline{35} \\ \phantom{0}2 \\ \end{array}
分数・小数で商を求める除法
定義
- 割り切れない場合、分数や小数で商を表す方法です。
- 例えば、商を小数で表す場合、7 \div 2 = 3.5 です。
また、商を分数で表す場合は、5 \div 3 =\displaystyle \frac{5}{3} となります。 - 高校までの数学の問題では商は分数で表す場合が多いです。
例題
- 8 \div 3 = 2.666\dots \approx 2.67(小数表記)
- 5 \div 4 = 1.25
四則演算の順序
定義
- 足し算、引き算、掛け算、割り算が混在する計算式では、次の順序に従って計算します。
- 掛け算・割り算を先に行う
- 足し算・引き算を後に行う
計算例
- 3 + 5 × 2 の場合、掛け算を先に行います。
3 + (5 × 2) = 3 + 10 = 13 - 12 ÷ 4 + 7 の場合、割り算を先に行います。
(12 ÷ 4) + 7 = 3 + 7 = 10
例題
- 6 + 4 \times 3 = 18
- 8 \div 2 + 5 = 9
- 14 – 8 \div 4 = 12
参考文献
数学を復習する際に役に立った本を紹介します.
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芳沢光雄著 『高校数学の教科書』