ベクトルの線型結合の問題【線型代数問題1‐2】

線型代数学

線型代数学の問題の解説をします.

あるベクトルをいくつかのベクトルの線型結合で表現する問題です.

問題

ベクトル\(\boldsymbol{v} = (1, -2, 5)\)を,\(\boldsymbol{u}_1 = (1, 1, 1), \boldsymbol{u}_2 = (1, 2, 3), \boldsymbol{u}_3 = (2, -1, 1)\)の線型結合として表せ.

解答例

ベクトルの線型結合とは,複数のベクトルの定数倍の和のことです.

例えば,\(3\boldsymbol{a}-5\boldsymbol{b}+2\boldsymbol{c}\)のようなものです.

そこで,\(p,q,r\in\mathbb{R}\)として,\(\boldsymbol{v}=p\boldsymbol{u}_1+q\boldsymbol{u}_2+r\boldsymbol{u}_3\)とします.

\(\boldsymbol{v}=(1,-2,5),\boldsymbol{u}_1=(1,1,1),\boldsymbol{u}_2=(1,2,3),\boldsymbol{u}_3=(2,-1,1)\)を代入して,

\((1,-2,5)=p(1,1,1)+q(1,2,3)+r(2,-1,1)\)

\((1,-2,5)=(p+q+2r,p+2q-r,p+3q+r)\)

\(p+q+2r=1\) (1)

\(p+2q-r=-2\) (2)

\(p+3q+r=5\) (3)

(1)-(2) \(-q+3r=3, q=3r-3\) (4)

(3)-(2) \(q+2r=7, q=7-2r\) (5)

(4),(5)より,\(3r-3=7-2r, 5r=10, r=2\)

(4)より,\(q=3\times2-3=3\)

(1)より,\(p=-q-2r+1=-3-2\times2+1=-6\)

以上より,\(\boldsymbol{v}=-6\boldsymbol{u}_1+3\boldsymbol{u}_2+2\boldsymbol{u}_3\)

参考文献

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松坂和夫著,線型代数入門

齋藤正彦著,線型代数入門

竹内淳著,高校数学でわかる線形代数

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