粗面小胞体【高校生物の復習1‐8】

高校生物

高校生物の復習の記事です。

粗面小胞体(そめんしょうほうたい、Rough Endoplasmic Reticulum, RER)は、細胞内の重要な構造の一つで、主にタンパク質の合成と加工に関与しています。ここでは、粗面小胞体について以下の内容を説明します。

粗面小胞体の構造

粗面小胞体は、細胞質に広がる膜構造で、核膜と連続しています。この小胞体の表面にはリボソームが付着しており、そのリボソームがタンパク質を合成します。このリボソームが付着しているため、”粗面”という名前がついています。一方で、リボソームが付着していない小胞体は滑面小胞体(Smooth Endoplasmic Reticulum, SER)と呼ばれます。

粗面小胞体は、シート状またはチューブ状の膜構造をとり、内部は小胞体腔(ルーメン)という液体で満たされた空間です。この腔内で、合成されたタンパク質が加工されます。

粗面小胞体の機能

粗面小胞体の主な機能は、タンパク質の合成と加工です。以下に、その役割を詳しく説明します。

  1. タンパク質の合成: 粗面小胞体に付着したリボソームが翻訳を行い、アミノ酸からタンパク質を合成します。この過程で、mRNA(メッセンジャーRNA)を基に特定のアミノ酸配列が形成され、一次構造を持つタンパク質が作られます。
  2. タンパク質の加工と修飾: 合成されたばかりのタンパク質は、まだ完成した形ではありません。粗面小胞体内で、**フォールディング(折りたたみ)**が行われ、タンパク質が正しい立体構造を取ります。また、一部のタンパク質には、糖鎖修飾(グリコシル化)が行われ、分泌されるタンパク質や膜タンパク質に適した構造が与えられます。
  3. 小胞体からの輸送: 加工されたタンパク質は、粗面小胞体からゴルジ体へと輸送され、さらに修飾や仕分けが行われます。この輸送は、膜で囲まれた小胞によって行われます。

粗面小胞体の役割と細胞の機能

粗面小胞体は、特に外分泌膜タンパク質の合成に関与する細胞で発達しています。例えば、膵臓の外分泌細胞では消化酵素が大量に合成されるため、粗面小胞体が発達しています。また、免疫系で抗体を分泌する形質細胞も粗面小胞体が多く見られます。

粗面小胞体の障害と疾患

粗面小胞体の機能不全は、タンパク質の合成や修飾の異常を引き起こし、さまざまな疾患と関連しています。例えば、小胞体ストレス(ERストレス)という状態が引き起こされると、タンパク質が誤って折りたたまれたり、蓄積することによって細胞死が誘導され、神経変性疾患などの病気に関わることがあります。

問題

以下の文の括弧内に適切な語句を入れよ。

粗面小胞体は、細胞内で( 1 )と加工を行う重要な構造であり、表面には( 2 )が付着しているため、この名前が付けられている。核膜と連続した( 3 )構造を持ち、内部では合成されたタンパク質の( 4 )や修飾が行われる。加工されたタンパク質は、膜で囲まれた小胞によって( 5 )へと輸送され、さらに修飾や仕分けが行われる。

解答例:クリックして表示
(1) タンパク質合成 (2) リボソーム (3) 膜 (4) 折りたたみ (5) ゴルジ体

参考文献

以下は高校生物を学ぶための参考文献です.

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