有効数字
測定値を記載する場合に注意すべきは有効数字です.
\(12.4[mm]\)では有効数字は小数第一位,桁数三桁となります.
厳密にいうと,\(12.4\)という計測値の意味は,\(12.35\)以上\(12.45\)未満,ということになります.
測定の有限性から\(12.4\)という暫定値をもって測定値とする,ということです.
\( 40000 \)という数は,この表記では有効数字五桁です.
この数を有効数字三桁で表す場合は,指数表記を用います.
\( 40000=4.00 \times 10^4 \)(有効数字三桁)
したがって,有効数字三桁で求めるときに,\( 40000 \)と解答してしまうと誤りとなります.
測定値を用いた計算において,有効数字をどのように扱うかというと,➊足し算の場合は、有効数字の末尾の位が最大の数に合わせる,となります.
例えば,\( 25.3+13.74+2.569 \)の場合,\( 25.3 \)の有効数字の位が最大の小数第一位ですので,計算の結果は小数第一位までとします.
\( 25.\boldsymbol{3}+13.74+2.569=41.\boldsymbol{6}09=41.6 \) (小数第一位)
➋掛け算の場合は,有効数字の桁数が最小の数に合わせる,となります.
例えば,\( 25.3 \times 13.74 \times 2.569 \)の場合,\( 25.3 \)が有効数字の桁数が\( 3 \)で最小ですので,計算の結果を有効数字三桁までとします.
\(\boldsymbol{25.3} \times13.74 \times 2.569=\boldsymbol{893}.040918=893\)(有効数字三桁)
➌足し算と掛け算の混合の場合は,先に掛け算を計算して,その後足し算を計算します.
ただし,計算の途中で数値を概算する場合は,一桁余裕をもって概算するとよいでしょう.
\( 41.38 \times \boldsymbol{3.92} \times 28.644+\boldsymbol{37.23} \times \boldsymbol{8.345} \times 555.213 \)
\( =73.944 \) (未調整) \(+172495.99001655 \) (未調整)
\( =73.94 \) (有効数字三桁だが余裕をもって四桁) \(+1.7250 \times 10^5 \) (有効数字四桁だが余裕をもって五桁)
\( =(0.000 \boldsymbol{7}394+1.725 \boldsymbol{0}) \times 10^5 \)
\(=(0.0007+1.7250) \times 10^5 \) (十の位)
\(=1.7257 \times 10^5\)
\( =1.73 \times 10^5 \) (問題に与えられた数値では最小の桁数が\(3\)だったので有効数字三桁)
問題
問題1
以下の式を計算せよ.
(1) \( (3.54 + 0.435 ) × 2.748 \)
(2) \( 6.43 × 4.283 × (3.8256 + 1.349) \)
(3) \( 3.28 ÷ (3.195 + 0.2743) \)
(4) \( (4.27 + 0.269) × 5.376 ÷ (7.364 +1.297) \)
解答例
問題1
(1) \((3.54+0.435)×2.748\)
\(=(3.975)×2.748\)
\(=3.98×2.748\) (和の計算は小数第二位まで)
\(=10.93704\)
\(=10.9\) (積の計算は有効数字三桁まで)
(2) \( 6.43 × 4.283 × (3.8256 + 1.349) \)
\(=6.43×4.283×5.1746\)
\(=6.43×4.283×5.175\) (和の計算は小数第三位まで)
\(=142.517\dots\)
\(=143\) (積の計算は有効数字三桁まで)
(3) \( 3.28 ÷ (3.195 + 0.2743) \)
\(=3.28÷3.4693\)
\(=3.28÷3.469\) (和の計算は小数第三位まで)
\(=0.945517\dots\)
\(=0.946\) (商の計算は有効数字三桁まで)
(4) \( (4.27 + 0.269) × 5.376 ÷ (7.364 +1.297) \)
\(=4.539×5.376÷8.661\)
\(=4.54×5.376÷8.661\)
\(=211.3893\dots\)
\(=211\)
参考文献
力学に関する参考文献を以下に挙げます.
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戸田盛和著,『物理入門コース・力学』
藤原邦男著,『物理学序論としての力学』